皮膚疾患は炎症性疾患、腫瘍、感染症、物理的要因など多彩です。
炎症性疾患ではかぶれ(接触皮膚炎)、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬などがあります。適切な診断と治療を行います。アトピー性皮膚炎では生物学的製剤デュピクセントの適応がある場合は積極的に導入しています。かぶれの原因を精査するパッチテストも必要に応じて行っています。
腫瘍はほくろや脂漏性角化症などの良性腫瘍、悪性黒色腫を含む悪性腫瘍（皮膚がん）があります。ダーモスコピーや病理組織を確認する検査も行っています。

感染症は、一般によく知られている水虫(白癬)が真菌というカビによる感染症です。その他、細菌感染症や水ぼうそう(水痘)などのｳｲﾙｽ感染症、最近では疥癬という、肉眼ではほとんど見えない微小なダニによる感染症も再び増加傾向です。これら感染症はとくに早期診断と早期治療が大切ですので重視しております。
物理的要因は高温による熱傷、低温による凍傷などがあります。化学薬品による傷害も含まれます。初期に適切な対応を行い、もし皮膚潰瘍となった場合には被覆材も進歩しておりますので、早期の上皮化を目指して治療を行います。
さらに、顔面などのあざ(色素斑)も気になるものです。見かけの問題だけではなく、先ほどご紹介いたしました悪性黒色腫の初期病変の可能性もあります。こうした鑑別をしっかり行うとともに、有効と考えられる色素斑にはレーザー治療を行います。